イタリアワインを扱うインポーターは数多くありますが、どの造り手と向き合い、どのように運んで保管しているかは輸入元ごとに違います。神奈川県川崎市高津区に拠点を置く稲垣商店は、イタリアの小さな生産者を自ら訪ね、納得できたワインと食材だけを直接買い付けているインポーターです。運営するオンラインショップでは、レストランでも選ばれてきた品々を1本から届けています。
稲垣商店のこだわり
稲垣商店が大切にしているのは、造り手と何度も言葉を交わして築いた信頼関係と、造られたときの状態をそのままお届けすることです。ここでは、買い付けの進め方、ワインを選ぶ基準、そして輸送と保管の体制という三つの側面から、その考え方をお伝えします。
現地で確かめた生産者だけと取り引きしています
取り扱うワインと食材は、何度も現地へ足を運び、畑を歩き、醸造や製造の設備を確かめ、造り手と一緒に味を見たうえで決めております。ほかの国を経由して買い付けたものや、展示会で口にしただけで仕入れたものは扱っておりません。
何度も話を重ねてお互いを知り、信頼できると思えた生産者とだけ取り引きを続けています。代表の吉田 裕介様はソムリエとして働いた後、ワインの輸入に携わる調達部門でイタリアワインを中心に経験を積み、その歩みは25年以上になります。現在は200を超える生産者とやり取りを重ね、産地の今を直接うかがえる関係づくりを続けています。
土地に根差した本物かどうかを基準にしています
会社概要では、「ナチュラルワインを造ること」そのものが目的になっている造り手のワインには関心がない、という考えを率直に述べています。長い年月のなかでその土地に合う葡萄品種が残り、仕立てや醸造の方法が代々受け継がれてきた背景にこそ意味があると捉えているためです。
そうした造りを続ける人たちのワインが不自然なものになるはずがない、というのが稲垣商店の見方です。自然な造りかクラシックな造りかで線を引かず、その土地に根を張った本物と呼べる一本を広めたいという思いを掲げており、結果として自然な造りに辿り着いた生産者のワインも並んでおります。銘柄選びに迷われたときは、ぜひご相談ください。
温度と湿度の管理に配慮しております
イタリア国内の移動から海上輸送まで、温度を保てるリファーコンテナで運んでおります。港での積み替えのときにも管理が途切れないよう、信頼できるフォワーダーと組んでいます。
日本に届いた後はSBS城南島倉庫でお預かりし、温度に加えて湿度まで管理しています。ワインと食材それぞれに適した環境を用意することで、造り手が仕上げたときの状態を保ったままお届けすることを目指しています。
稲垣商店のおすすめポイント
稲垣商店のオンラインショップは、造り手の顔ぶれと探しやすさの両方に特徴があるサイトです。ここからは第三者の目線で、ラインナップと使い勝手、そして業務用の窓口について見ていきます。
イタリア各地の造り手が並ぶラインナップ
ピエモンテのバローロでは、ジュゼッペ・リナルディ、ジャコモ・コンテルノ、ジュゼッペ・マスカレッロ、ジョヴァンニ・カノニカが名を連ねています。バルバレスコのリヴェッラ・セラフィーノ、ロエロのカッシーナ・ヴァルデルプレテ、ガヴィのラ・ライア、モンフェラートのカッシーナ・イウリやサマー・ウルフ、カッシーナ・ロエラもそろっているそうです。
産地の幅も広く、プロセッコのマルスレット、トレンティーノA.Aのポイエレ・サンドリ、フリウリV.Gのロンコ・セヴェロ、リグーリアのテラッツェ・シンギエ、ロンバルディアのアントニオ・パニガダが加わります。さらにヴェネトのフィリッピやカ・ラ・ビオンダ、トスカーナのバッケレートやアンブラ、ランケッレ、ラッツィオのコリッキオ、シチリアのコスやラモレスカ、イル・モルテッリートまで、地域ごとの個性を追える構成になっています。
産地や色から探せるオンラインショップ
ワインは生産者の一覧に加えて、地域から探す切り口と色から探す切り口が用意されているそうです。色は泡、白、オレンジ、赤、ロゼ、甘口に分かれており、飲みたい気分から選びたい方にも向いています。
商品ページには生産者名と商品名、短い紹介文のほか、タイプや品種、容量と栓の種類まで記されています。味わいを二語で示したタグも添えられており、初めての銘柄でも印象をつかみやすい作りです。キーワードでの検索や独自の商品コードからの検索、営業日カレンダーの掲示など、使い勝手への目配りも感じられます。
パスタやオリーブオイルといった食材もそろう
稲垣商店はワインだけでなく、イタリアの食材も同じ考え方で選んでいるそうです。マルテッリとファブリのパスタ、ラモレスカとコスのオリーブオイル、バレーナのアンチョビ、チェーザレのヴィネガー、ベルフィオーレ・ファミリア・チャルロのトマト、ジュゼッペ・コニーリョのハチミツが並びます。
カテゴリーからたどる場合は、クラフトパスタ、オリーブオイル、アンチョビやまぐろのオイル漬け、アチェート、マレンマ産のトマトソース、パンテレリア産のケイパー、ハチミツといった切り口が用意されています。ワインと合わせて食卓の組み立てを考えられるのは、食材まで扱うインポーターならではの魅力といえます。
レストランや酒販店からの相談にも応じている
そもそも選ばれている商品は、ソムリエやシェフといった食のプロに使ってもらう品質を前提にしたものだそうです。卸売を希望するレストランは、サイトのお問い合わせから相談できます。
契約している卸酒販店が発注に利用する場合は、専用のIDが必要になります。「初めての方へ」には、ご利用ガイドのほか酒販店向け、レストラン向け、一般の方向けの案内が分けて置かれており、立場に合った入り口から読み進められる構成です。
ナチュラルワインやイタリアワインを選ぶときの視点
インポーターを通じてイタリアワインを選ぶときは、呼び名や流行だけで判断しないことが満足につながります。ここでは、初めて選ぶ方に向けた一般的な考え方を二つの角度から整理します。
呼び名ではなく造り手の背景を見る
ナチュラルワインという言葉には統一された定義がなく、栽培や醸造でどこまで人の手を加えるかという考え方の幅を指す呼び方として使われています。同じ呼び名でも造り手ごとにスタイルは異なりますので、言葉だけで良し悪しを決めるのは難しいところです。
その土地でどんな品種が育ち、どのように受け継がれてきたのかという背景まで知ると、一本の輪郭がはっきりしてきます。造り手と直接やり取りしている輸入元は、こうした背景まで伝えられる存在です。
産地と品種から絞り込む
イタリアは地域ごとに土着品種が多く、同じ赤ワインでも産地が変われば印象は大きく変わります。まずは産地と品種、そして泡や白といった色のタイプという三つの軸で絞り込むと、好みに近い一本にたどり着きやすくなります。
合わせたい料理や飲む場面を先に思い浮かべておくと、輸入元に相談するときにも希望が伝わりやすくなります。届いた後の置き場所や保管の目安を確かめておくことも、おいしく飲みきるための助けになります。
まとめ
稲垣商店は、イタリアの小さな生産者を自ら訪ねて納得したワインと食材だけを直接買い付け、川崎市高津区からオンラインショップで届けているインポーターです。温度を保てるリファーコンテナでの輸送と、温度と湿度を管理した国内倉庫での保管によって、造り手が仕上げた状態を守っています。
ソムリエとしての経験を経て輸入の調達に長く携わってきた代表の吉田 裕介様が、200を超える生産者とやり取りしながら選んでいる点も心強いところです。土地に根差した造り手のワインやイタリア食材が気になる方は、公式のオンラインショップをのぞいてみてください。