広島県のほぼ中央に広がる世羅台地で、農薬と化学肥料を使わずに野菜を育てているのが、株式会社彩蔵ファームです。瀬戸内海側と日本海側へと水の流れが分かれる分水嶺を抱えるこの土地で、標高400メートルの山肌からしみ出す湧き水を使いながら、季節ごとの野菜を栽培しています。
収穫した旬の野菜は詰め合わせの野菜セットとして、家庭の食卓へ届けられています。広島県内の一部エリアにはスタッフが保冷車で直接届け、それ以外の地域へは宅配便での発送にも対応しているため、産地から食卓までの距離が近いことが大きな特徴です。ここでは、彩蔵ファームがどのような考え方で野菜を育て、どのような形で届けているのかを紹介します。
彩蔵ファームのこだわり
彩蔵ファームは、世羅町という中山間地域の環境を生かしながら、栽培方法にも届け方にも一貫した考えを持って農園を運営しています。ここでは、農園として大切にしている点をまとめます。
世羅台地の水と四季が育てる野菜
彩蔵ファームの畑があるのは、瀬戸内海と日本海へ水の流れを分ける分水嶺を擁する世羅台地です。標高400メートルの山肌から湧き出る澄んだ水を使い、野菜をのびのびと育てることを大切にしております。
この土地は四季の移ろいがはっきりしており、肥沃な大地と気温の緩急が重なることで、ここでしか生まれない恵みが育つと考えております。畑の環境そのものを野菜づくりの土台として捉え、その年ごとの気候と向き合いながら栽培に取り組んでおります。
農薬と化学肥料を使わない有機栽培
彩蔵ファームでは、農薬と化学肥料を一切使わずに野菜を育てております。年間を通じて約60種類以上の野菜を、無農薬・無化学肥料で栽培しております。野菜そのものが持つ味わいを感じていただきたいという思いから、栽培方法にはこだわり続けております。
農薬を使わない栽培のため、届いた野菜に虫が食べた跡が残っている場合もあります。また、時期によっては似たラインナップが続くこともあります。そうした点も含めて、畑の状態をありのままお伝えすることを大切にしております。同じ野菜であっても、季節が進むにつれて甘みや香りは少しずつ変わっていきますので、その時々の違いも楽しんでいただければ幸いです。
地域の課題に向き合う農園づくり
彩蔵ファームは、過疎化が進む中山間地域において、新たな雇用を生み出すことと、耕作放棄地を有効に活用することを通じて、地域の活性化に貢献することを目的として設立されました。野菜を育てて届けるという営みを、地域そのものを支える取り組みとして捉えております。
安心して食べていただける農作物を育てることは当然の責務と考えたうえで、その価値が正当に評価される形で届け、農業を稼げる産業として成立させることを目標に掲げております。稼ぐ力こそが畑を守り、人を育て、地域を未来へつないでいく原動力になると考え、日々の農園運営に取り組んでおります。
彩蔵ファームのおすすめポイント
ここからは、第三者の視点から見た彩蔵ファームの魅力を整理します。栽培へのこだわりだけでなく、届け方の設計にも農園らしい工夫があります。
季節ごとに中身が変わる野菜セット
彩蔵ファームの中心となる商品は、その時期に食べ頃を迎えた野菜を集めた詰め合わせの野菜セットだそうです。中身は季節によって入れ替わり、春には小松菜やほうれんそう、かぶ、ブロッコリー、菜の花といった葉物や根菜が並びます。夏はトマトやきゅうり、ズッキーニ、かぼちゃ、とうもろこし、枝豆などの夏らしい顔ぶれに変わるとのことです。
秋には白菜やキャベツ、さつまいも、さといも、人参などが加わり、冬は春菊やねぎ、大根、じゃがいもといった寒い時期に向く野菜が中心になります。雨の量や気温の影響を強く受けるため、形や味わいにはその年ごとの個性が生まれるそうで、届くまで中身を楽しみに待つ時間そのものが、この野菜セットの魅力といえます。天候や気温の変化によって、届く野菜のラインナップが予定から変わる場合もあると案内されています。
定期便というスタイルで届く
野菜セットの注文は、定期便で届けるスタイルが取られているそうです。買い物のたびに選ぶのではなく、畑の状態に合わせて届く形になるため、旬の野菜が自然と食卓に入ってくる流れがつくられています。
申し込みの後は、公式LINEを通じて追加オプションの野菜を選んだり、届け先や登録内容を変更したりする手続きができるとのことです。解約や再開についてもいつでも手続きが可能で、いずれも出荷日の2日前までに済ませる必要があると案内されています。暮らしの状況に合わせて調整できる点は、続けやすさにつながります。
広島で野菜のサブスクを検討している方は彩蔵ファームの公式サイトをご覧ください。
保冷車での直接配達と全国への発送
彩蔵ファームには、スタッフが保冷車で届ける直接配達エリアが設けられているそうです。毎週火曜日には三原市、竹原市、東広島市、呉市、広島市と、安芸郡の府中町、海田町、熊野町、坂町へ。毎週金曜日には世羅町、尾道市、府中市、福山市へ届けられています。産地から食卓までを農園自身の手でつなぐ形で、収穫からのスピード感を保ったまま野菜が運ばれます。なお、これらのエリア以外でも配達のルートによっては対応できる場合があるため、まずは相談してほしいと案内されています。
直接配達の対象外となる地域へは、宅急便による発送に対応しているそうです。北海道から沖縄までを佐川急便が配達し、6月から10月の暑い時期にはクール便で届けられるとのことです。広島県内に住んでいなくても、世羅台地で育った野菜を受け取れる仕組みが整えられています。
畑と作り手の姿が見える
彩蔵ファームは、農園のあゆみとして設立の経緯や代表者の歩みを公開しています。代表者は世羅町の出身で、消防や営業といった別の仕事を経験した後、栃木県の有機農家や広島県内の梨農園で学び、農園を立ち上げたという経歴が紹介されています。
誰がどのような思いで畑に立っているのかが見えることは、口に入れるものを選ぶうえで安心につながる要素です。Instagramでも農園の様子が発信されており、日々の畑の姿を見ながら野菜を選べる点も、同農園ならではの魅力といえます。
広島で無農薬野菜やオーガニック野菜を選ぶときの視点
ここからは、広島で無農薬野菜やオーガニック野菜を取り入れたいと考えたときに、一般的に確認しておきたい視点を整理します。特定の農園の条件ではなく、選び方の考え方としてご覧ください。
栽培方法がどこまで説明されているか
野菜の栽培方法を表す言葉には、無農薬、無化学肥料、有機栽培など複数の表現があり、それぞれ意味する範囲が異なります。農薬を使っていないのか、化学肥料を使っていないのか、その両方なのかによって、育て方は変わってきます。
選ぶ際には、どの資材を使わずに育てているのかが具体的に説明されているかを確認しておくと、認識のずれが起きにくくなります。また、農薬を使わない栽培では見た目が均一になりにくいことがあるため、その点をどう説明しているかも、作り手の姿勢が表れるところです。
届く量とサイクルが暮らしに合うか
野菜の詰め合わせを定期的に受け取る形は、旬の野菜が自然と食卓に入ってくる利点がある一方で、家庭の人数や調理の頻度に合っていないと使い切れないこともあります。届く頻度や中身の傾向が、自分の暮らし方に無理なく収まるかを考えておくと安心です。
あわせて、内容の変更や一時的な休止、再開といった手続きがどのように用意されているかも、確認しておきたい点です。手続きの締め切りが決められている場合もあるため、申し込みの前に流れを把握しておくとよいでしょう。
産地と食卓の距離
野菜は収穫してからの時間が味わいに関わるため、産地と食卓の距離は選ぶうえでの大切な観点です。同じ県内で育てられた野菜であれば、収穫から届くまでの時間を短くしやすくなります。
配送の方法によっても状況は変わります。生産者が自ら届けるのか、宅配便を使うのか、気温が上がる時期にどのような温度管理がされるのかを見ておくと、届いたときの状態を想像しやすくなります。産地の風土や水の環境が公開されていれば、その野菜がどのような場所で育ったのかを知る手がかりにもなります。
まとめ
株式会社彩蔵ファームは、広島県世羅郡世羅町安田に畑を構え、世羅台地の湧き水を生かしながら年間約60種類以上の野菜を無農薬・無化学肥料で育てている農園です。旬の野菜を詰め合わせた野菜セットを定期便という形で届け、県内の対象エリアには保冷車での直接配達、その他の地域には宅配便での発送に対応しています。
過疎化が進む地域での雇用の創出と耕作放棄地の活用を通じて地域活性化に貢献することを目的に掲げ、農業を稼げる産業として成立させることを目標に据えている点も、この農園の姿勢を表しています。畑の環境や作り手の歩みが公開されているため、どのような場所で育った野菜なのかを知ったうえで選べます。
季節ごとに移り変わる野菜を食卓に迎えたい方や、育て方のわかる野菜を探している方は、農園の取り組みを一度確認してみてはいかがでしょうか。